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No.260 北電は原発ゼロに向けた行程表を示せ

2014年10月20日 14:23

北海道電力は11月から家庭用で15%強という昨年9月に続く2度目の値上げを行う(来年3月までは激変緩和措置実施)。北電社長は9月の記者会見で「(脱原発、再稼働反対という)道民の意見は尊重したい」としながらも「電力安定供給と会社経営の面から、原発は必要」と答え、「この先も再稼働を目指して頑張る」と強調した。


さらに、値上げ認可がおりた10月15日の記者会見では「値下げは泊再稼働以外ない」とさえ言い切っている。つまり、原発のない経営なんて考えられないということらしい。脱原発を願う道民から見れば「開き直り、脅し」に近い発言と受け取られかねない。


ところで、「原発が電力の安定供給のために必要」という理屈は、この間原発なしで安定供給の実績があること、沖縄は原発を持っていないし、他の電力会社も原発稼働なしで安定供給を行っていること、今冬の供給余力も北電の11%を筆頭に9社計で6%強となっていることから、今後は一切使うべきでない。


さて、北電の電気料値上げは原発停止に伴う代替火力発電所の燃料コストが年間2千億円増えたこと、再稼働に向けた安全施設対策費(総額で1600億円)が必要となり、経営が3年連続で赤字になっていることが理由。経営効率化を行っても限度があるとしている。


赤字発生の最大の原因は「原発依存度が高かったから」である。その分代替燃料費が割高となったし、それに円安が拍車をかけた。原発依存度が低い東北電力や北陸電力の決算は黒字である。ただし、同じように原発依存度が高く赤字決算だった関西電力も今年度上期は黒字に転換する見通しだ。


泊3号機建設に際して、識者らからは「過度に原発依存度を高めることは経営リスクを高める」との忠告や批判があったにも関わらず、北電は強行した。結果として、経営判断を誤ったことになるが、今まで北電経営陣からは一切反省の弁はなく、ツケが道民や道内企業に回され続けている。


さらに、「原発に人も金も集中的に投じた結果、LNG火発や風力など再生可能エネルギーの開発が後回しにされた」(吉田北大教授)といわれる。すでに原発が一番安価なエネルギー発生装置だという理論は破綻している。今こそ、北電経営陣は立ち止まって原発依存思考を根底から変えるべきだろう。


アークスの横山社長は「長期的視点にたてば人類の(未来に関わる)問題だから、原発みたいに危ないものは諦めた方がいい。効率のよい火力発電所を増やすなど将来のエネルギー受給を踏まえた設計図をつくるべき」と提言。


セイコーマートの丸谷社長も「依存度44%にすがり続けたら、いずれ経営は行き詰まる。原発依存度を下げてクリーンで安価なエネルギーに転換していく道筋を真剣に考える必要がある」と述べている。お二人とも当面の再稼働は仕方がないかもと述べている。


北電は来年度から石狩新湾にLNGによる効率の良いガスコンパウンド発電所を3機順次建設する。57万kw×3機で約170万kwとなり、大消費地の札幌に近いことからも無駄が少なく極めて効率的な発電所となる。


また、水力発電所のプロペラも最新式にすることで発電効率が1割程度高まるという。太陽光、風力、バイオマス、地熱、小水力などの再生エネルギーの開発・普及も格段に進みだした。コジェネや高断熱建築の普及、省エネ意識の向上など、エネルギーを取り巻く情勢は格段に変化をとげている。


北電は株式会社といえども公共インフラを担う独占企業である。道民の意に反した経営は許されるものではない。電気を大量に作り、販売することによって利潤を上げるというビジネスモデルは誤っており、消費者の理解を得ることはできない。電力自由化を前に、顧客に信頼される経営姿勢に転換することが企業存続のためにも重要だろう。


いうまでもなく北海道の基幹産業は第一次産業である。その関係団体もこぞって脱原発社会の実現を求めている。北電は脱原発を展望した経営戦略に転換し、原発ゼロに向けた具体的な行程表を早急に示して、道民の理解と協力を得るべきだ。


(政策情報室 馬場修)