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NO116 民主党政権 失敗の本質=消費増税と党分裂に象徴される「脱官僚」の実際と非民主的体質

2013年02月26日 15:08

民主党は2月24日、党改革の第1次報告を了承した。報道各社の評価は厳しいが、「党トップによる失敗の連鎖」など民主党政権の失敗を振り返るうえでの総括ポイントはほぼ網羅されているように思える。


問題は、なぜ党トップは失敗したのかである。官僚を使いこなすどころか、現実は官僚に使い捨てられた「3首相」ではなかったのか。政権崩壊が決定的となった消費増税問題と民主党分裂を軸に検証してみたい。


まず、いつもながら新聞記事の紹介から始めたい。興味深い朝日新聞の特集記事がある。もう1年ほど前である。政権が消費税増税問題で揺れていた昨年4月「民主党政権 その失敗の本質」とのシリーズを組んだ。
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その1回目は「脱官僚の裏で財務省と握手」。記事は1代目首相・鳩山由紀夫の父は旧大蔵事務次官、2代目首相・菅直人は藤井初代財務大臣(元大蔵官僚)の後継、3代目首相・野田佳彦は3代目財務大臣という構図に象徴される歴代首相の財務省との関係を取材で明らかにしている。
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つまり、政権を担う幹部・中枢は「脱官僚」を掲げた政権交代だったが、財務だけは例外だという認識が当初からあった。「脱官僚」の決め手は予算編成権だが、当時の菅国家戦略相はその主導権を掌握できず、必然的に財務官僚へ依存してしまった。結果として、政権への財務官僚の暗躍を許すこととなり、そして彼らの権益拡大として悲願ともいうべき消費増税路線へ誘導されてしまったというのである。


こののように見てくると、菅直人2代目首相が突然のように、しかも大事な参院選の最中に消費増税を言い出した背景も理解できる。選挙は惨敗、国会は不安定化する。東日本大震災も重なり、政権の求心力が急速に低下していく。
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ここで消費増税問題はいったん留保すべき政策課題だったのだろう。しかし、消費増税に言及した野田代表が勝利し、野田首相は「政治生命を賭ける」とまで豪語する。こうして、民主党はマニフェストにもない消費増税に踏み込み、、遂には党の分裂に至る。


この「朝日」の特集の1月前の昨年3月、民主党は消費増税の党内の「事前審査」を8日間、46時間半かけて議論していたことは記憶に残っているかと思う。しかし、前原政調会長は審議を打ち切り、反対派はバリケードを築いて阻止しようとした。分裂が決定的となった瞬間だった。


そもそもマニフェストにない政策を実行するのだから、意見がぶつかるのは当たり前である。しかも、この議論は国会議員だけでおこなわれ、地方議員や広く一般党員の意見を吸い上げることもなかった。「党内でまとまらないものが国民の理解を得られるはずがない」とささやかれた。


しかし、悲しいかな意見を集約するルールが確立していなかった。民主党は当初政調を廃止し政策決定の政府への一元化をすすめたが、菅内閣でまた復活させる。「政府と与党の一元化」はもともと小沢氏の持論だったというが、どちらにしても、背景には政策決定を巡る党内の「権力争い」があったため、定着、機能しないまま経過してきた。
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自民党は、官僚主導だったとはいえ、いかなる法案も、政調を経て総務会の全会一致が原則だったという。そしてこの総務会は派閥の代表者でバランスをとっていた。「一任取り付け」などどいうのはある程度合意形成ができつつある場合には機能しても賛否両論、しかも分裂含みの場合は組織の亀裂を深めるだけである。「党内議論につまずけば消費増税は気泡に帰す」というまさに逆立ちした政治情勢判断こそ総括されなければならない。


この論考は消費増税の是非を論じたものではない。その手続きや実施のタイミングが党内民主主義のあり方を含めて真摯に総括されることを意図したものである。民主党は政権担当能力どころか自党の運営につまずき自滅したといっていい。


(政策情報室 井上昭弘)