« 全道庁労連「船員連絡会議2012年度総会」を開催します | トップページ | NO50 一歩前進だが低レベル=はじまった北電の「でんき予報」 »
2011年09月29日 10:25
道内の電力使用のピークが12月だとして、北電は泊1、2号機の再稼働が必要と強調し、知事は「電力不足に陥る」として道民に「節電」を要請する意向を示している。
さて、いったい、電力は本当に不足するのか、原発を稼働させなければこの12月は乗り切れないのか。必ずしも説得力をもって北電や知事が説明しているようには思えない。
そこで、いくつかの疑問を提示し、「電力不足」キャンペーンを検証してみたい。
まず、次の資料(PDFファイル)の12月を見ていただきたい。
道内の電力需給の見通し
12月
供給力 706
最大3日平均電力 569
供給予備力 137
供給予備率 24.1
(1,2号機定検延長)
影響量 ▲116
供給予備力 22
これは、北海道経産局が北電の資料を基に作成したものである。供給予備力とは供給力から最大電力を差し引いた値。それを最大電力で割り返した値が予備率、ここでは24.1%となる。
その上で、今年の12月、1、2号機を再稼働しなければ供給予備力が22万kwに低下するとされる。率にすると3.9%。予備率はおおむね5~10%程度が適切とされる。そうするとだいたい4%前後の「電力不足」が生じるということを示したものである。
供給予備力というのは、電源がなんらかのトラブルで止まった場合の担保の役割を数値化したもの。なお、この予備力には東北電力等への60万kwの融通送電が含まれていないので12月も継続すると予備力はマイナスとなる。
疑問の1=供給力の根拠が明らかにされていない
供給力は706万kwとされているが、北電の設備全体の供給力は742万kwとされている(北電サイト)。この約40万kwの差は検査で停止している分なのか、稼働させていないだけなのか。その設備単位の説明が求められる。
道経済部によればこの他、自家発電等が約300万kwあり、このうち、電源開発22万kw、北海道、新日鐵、日本製紙等の62kwなど少なくとも自家発電84万kw程度が北電へ供給できるという。すると供給予備力は106万kwとなり、予備率は一気に18.6%にアップし、適正予備率を大きく上回る。東北への融通を継続しても何の心配もない。
疑問の2=なぜ、「最大3日平均電力」なのか。
この瞬間的な電力消費を「最大」として供給予備力を算定しているが、果たして妥当かどうか。平均使用量はどれくらいなのか。これは全く公開されていないので不明だが、北電のサイトで調べると、「最大3日平均電力」の09、10年の12月実績はいずれも530万kw前後で推移しており、約40万kwほど過大見積となっている。
他の月を勘案しても20~30万kw程度は過大であろうか。仮に、想定どおりとしても、前述のようにこの瞬間的な需要に対応できる北電以外の電源や停止中の火力、水力を動員すれば、想定供給予備力は大きく変動する。この12月に向けて停止期間の調整などあらかじめ準備するとこれだけでも相当な予備力確保につながるはずでる。
疑問の3=北電はなぜ情報を公開しないのか
北電のサイトには電力の供給、需要の実績が年度ごとには示されるが、東京電力のような詳細情報が提供されていない。一体、何を恐れているのか。月毎いや時間単位での情報を公開してもらいたい。電源設備毎の稼働率も知りたい。隠蔽体質の組織が「電力不足」という結論だけをプロパガンダのように繰り返しても到底納得できない。そもそも「やらせ」問題など北電への信頼は大きく揺らいでいる。
一つの中間的な結論
「節電」は最後の対策手段であり、まずもってこうした電力情報を一部始終公開してもらわなければならない。その上で、基本的には3号機も含めて、全ての原発を停止した場合の「供給予備力▲70」が、上記のような対策を講じてもなお生じるのかどうか。しっかり検証する必要がある。
(政策情報室 AI)