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2011年06月30日 10:04
「脱原発の視点に立って」はすでに述べたように、今から10年前、「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」という全国でも画期的なエネルギー政策の転換を促す条例の「前文」に書かれてある文言である。この条例そのものは、読めばわかるように環境に優しい新しいエネルギーの開発を促進するためのものであり、原子力発電からの脱却を具体化したものではない。
しかし、「脱原発の視点に立って」を含むこの条例の前文の趣旨は、明らかに、新エネルギーを促進する背景としての「脱原発」という哲学で一貫している。つまり、脱原発に向けた具体的プロセスは条文に盛り込まれていないが、新エネルギーの促進はこうした基本的な考え方に立つものだということを述べたものと解される。
さて、「原発道議会」ともいえる第2回定例道議会での高橋知事の原発に対する基本認識はどのようなものであろうか、果たして、脱原発なのか、推進なのか、それともそのいずれでもないのか。
知事は民主党をはじめとする何人かの「今後の原子力発電をどうしていくのか」」と問いに対し「多様なエネルギーに依る電源構成が必要」との認識を繰り返し強調している。並行して「安全確保、安定供給」「再生可能エネルギーの活用を図る」とも述べているのでわかりにくい。
この「多様なエネルギーによる電源構成」の「多様な」という考え方は、つまるところ原子力を含む電源構成と解される。いわゆる「ベストミックス」論である。こうした考え方は北電をはじめとする電気事業連合会の基本的な考え方と重なるものであり、国のエネルギー政策の基本ともなっている。原子力発電と自然エネルギーなどの電源とを調和させて供給しようとする。
知事はやはり「反・脱原発」だったのである。考えてみると、自民党推薦で、経産局OBであり、しかも、北電幹部から献金を受けているとすれば、口が裂けても脱原発とは言えないかもしれない。こんな知事に3.11以後に行われた大事な知事選挙で大量の支持票を与えてしまった。
幸い、今のところ泊1号機の再稼働と3号機のプルサーマル運転には慎重姿勢を維持している。しかし、知事が泊原発を「安全」だとする判断基準は何なのか、全く説明がない。こんなことでは、佐賀県知事のように訳のわからない国からの説明で容認してしまうのではないか心配である。知事は、全て「国待ち」の姿勢で、問題を先送りしている。
もちろん国も、浜岡原発を止めて、他の原発を「安全」だとする合理的な根拠について全く説明がない。大地震の起きる可能性は、泊や大間でも専門家から指摘されている。
とりあえず、止めたことは評価できるが、果たして、「絶対安全だ」といえるような基準などあり得るのかどうか、大いなる疑念である。
福島原発事故の最大の教訓は、安全な原発などありえない、ということではないのか。泊原発3基を抱える北海道の知事の採るべき方向はこれまでの推進姿勢を自己批判し、「脱原発の視点に立って」そのロードマップを道民に示すことである。
終
(政策情報室 AI)