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2011年06月19日 10:56
第3期高橋道政の最初の議会となる道議会が始まった。議論の焦点の一つはいうまでもなく原発をめぐる議論といえるだろう。これほど切羽詰って道民の暮らしや安全に直結する道政上の課題はないからである。
仮に、泊原発で福島のような事故が起きれば、放射能汚染は後志管内だけでなく、大都市札幌、いや北海道全域に広がり、特に農業、漁業、観光などに依存する道内経済は壊滅的な打撃を被ることになるだろう。原子力への依存は放射能汚染という人間の手に負えない取り返しのつかない事態と背中合わせなのだということこそ「フクシマ」の最大の教訓なのだ。このようなことは子どもでも容易に想像がつくはずである。
原発の「安全神話」が完全に崩壊した今、このような最悪の事態を回避する道は、泊原発の一刻も早い停止、そして段階的廃炉ということに帰着する。これまでの延長線でエネルギー政策を構想するのではなく、原子力に依存しない電力の供給をどう図るかという観点、つまり自然科学的な知見もさることながら社会科学的はものの見方・考え方が道民のリーダーたる知事に問われているのだ。
幸いに、知事は今のところ、1号機の再稼働に慎重姿勢を崩していない。しかしそれは「頭の整理がつかない」とか「安全性がはっきりしない」という程度のものでしかない。つまりは自分の主体的な意思や思想ではなく単に国の判断待ちの姿勢といえるものだ。上田札幌市長が「3号機のプルサーマル運転の凍結」を明言した発想とは根本的に異なる。
知事だけでなく、道議会議員にもその知見と見識が問われている。今議会でプルサーマル計画の凍結や泊原発の段階的廃炉に向けた決議を全会一致で採択するぐらいの突っ込んだ姿勢を示してもらいたい。
なぜなら、知事と議会は今から10年前、「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」という全国でも画期的なエネルギー政策の転換を促す条例を採択している。しかも全会派一致で可決したのである。
この条例で放射性廃棄物の処理方法が未確立であることなどから原子力発電は「過渡的な電源」と位置づけ、「脱原発の視点に立って」とまで書き込んでいる。そして再生可能自然エネルギーへの転換をすすめることが明記された。
採択時は堀知事だったが、現高橋知事も、そして議会も基本的にはこの条例の趣旨を踏襲したエネルギー政策を具体化する責務がある。国の制度的な枠組みが障壁だったとしても、何故具体化されていないのか自らを振り返る絶好の機会ともいえよう。
知事と議会は、道民が今何を求めているのか、よくよく想像力を働かせ、まさに人間の叡智を結集したエネルギー政策の議論を巻き起こしてもらいたい。今問われているのは原子力に対する基本姿勢なのだ。
では、北海道の電力の需給バランスはどうのような状態なのか、泊原発の停止は果たして非現実的な選択肢なのか。どの程度の電力不足が生じるのかなどを考察してみたい。
(以下、続く 政策情報室 AI)