1. 組合員ページ
  2. トップページ
  3. 福利厚生・自治労共済
  4. Web版赤煉瓦
  5. 闘争日報
  6. 赤煉瓦写真館
  7. 全道庁労連とは
  8. 全道庁労連の歴史
  9. 自治労北海道

« 社会貢献型がん保険=募集のお知らせ | トップページ | “原子力からの脱出” 講演会のご案内 »

NO32【投稿】政府・東電の原発震災への対応

2011年05月10日 15:07

政府・東電の原発震災への対応に思う         

【投稿】札幌総支部 川口 哲二


【1】NHK記者の怒り 
大地震の翌日、3月12日の昼頃だっただろうか?…遠目に映し出された福島原発から、白い蒸気(白煙)が立ちのぼっている画面が飛び込んできた。しばらく静止画面が続いた後、NHKの記者(科学文化部の担当で、その後、連日原発関連報道に解説役として出演している)は怒りを隠さず、「今何が起きているのか、なぜ政府・東電は公表しないのか。今、大変な状況を迎えているかもしれない…」と、TVで声を荒げた…。

 NHKの記者が声を荒げ対応の遅さを指摘するなんて珍しいなーと思いながら、「福島原発1号機で水素爆発を起こし、建屋の上層部が吹き飛んだ」ことを知ることができたのは、夕方もかなり過ぎていたような気がする。


【2】根強い隠蔽体質 
状況を知って、すぐ頭をよぎったのは電力会社の隠蔽体質だ。都合が悪いことは隠しとおす。専門知識を振り回し、傲慢に反論を封じ込める…東電から政府首脳部への第1報は、いつ、いったいどんな内容だったのか?そして、政府首脳部はそれを吟味し事の重大性を直ちに認識できたのか?…

 事故対応の初動の遅さは今も強く指摘されている。原子炉の換気、海水注入、電源車の用意…検討し実践されるまでにかなりの時間が要された。住民への注意喚起(外出時の注意や手洗いなど)も政府や東電が発表する前にNHKが先行して注意をうながしていた。やはり、根強い隠蔽体質が判断と行動の鈍さに繋がったのではと思う。その後、毎日のように事故対応の進捗状況が政府や東電より発信されているが、どうしても不信感は払拭されないままだ。


【3】浜岡停止を支持、もうブレないで 
震災復興財源に限定(?)消費税が考慮されたり、避難住民にとって情報提供にもならない東電の収束工程表、政府の児童の被爆線量20ミリシーベルトの許容…不信感が更につのる中、菅首相は5月6日、中部電力に浜岡原発(静岡県御前崎市)のすべての原子炉を停止するよう要請。9日に中部電力は要請を受諾した。原発震災関連で、はじめてといっていいほど(ちょっと言い過ぎ?)明確で毅然とした政府の決断だ。道理にかなった現実的な決断だと思う。

 菅首相は停止要請の理由として、『マグニチュード8級の東海地震が起きる確立が87%』との文科省予測を挙げた。地震と津波の威力がいかにすさまじく、原発震災の影響がいかに深刻か、私たちはその恐ろしさを実体験した…その上での決断である。
 もちろん菅首相の発言は「防潮堤の設置など中長期の対策が終わるまで停止」を要請したもので、浜岡原発の廃炉、ましてや海岸沿いに54基あるすべての原発の停止まで要請したものではない。物足りなさは感じるが、しかし、少なくとも原発中心の日本のエネルギー政策に大きな警笛を発するもので、その姿勢を支持したい。もうブレないでほしい。
 そして、国の安全基準や原発推進の経済産業省に属する保安院など規制機関のあり方も基本から見直し、原子力行政の軸足を推進から抑制へと確実に移してほしい。


【4】作家・高村薫の「脱原発」論 
またNHKの登場。「ニュースウオッチ9」(確か5月3日)で、作家の高村薫さんが原発事故についてインタビューに応えていた。知的で物腰の柔らかい受け答えが印象的で、難しい専門用語も挟まず、丁寧に原発の本質を語っていた。少し乱暴に話を要約すると…
①「原発問題が常に賛成か反対かにわかれ、イデオロギーと一緒にされてきた。これは非 常に不幸なこと。私はむしろ、原発が科学技術としてどのような技術的評価がおこなわ れてきたのかを知りたい」
②「想定外という言葉は論外で、そもそも想定しなければならないことが、想定されてい なかったということだと思う。恣意的に自分たちに都合のいいように解釈してきた。こ れは科学技術のモラルの問題であったと思う」」
③「この地震国で原子力発電をおこなうときのコストを、冷静に計算し直す必要がある。 地震や津波に備える費用、将来にわたる放射性物質の管理費用、風評被害や賠償費用な どもコストに入れ計算し直し、私たちがそれでも原発を使うのかどうかの選択だと思う」④「10年後というスパンで考えた時、日本は原発から脱却し次のエネルギー社会へ進む べきと思う。原子力発電の技術を否定するものではないが、やはり地震国の日本では無 理だと思う」 
ということを述べていた。そして最後に、「事故から目をそらし問題から逃げてはダメ。みんなが原発を真剣に考え直す時…」と結んだ。

 
今や総電力の3割を依存する原発大国の日本。安全神話を説いてきた歴代政府・電力会社の責任は重いが、高村薫さんが言うとおり、やはりそれを甘受してきた国民全体の問題であると思う。来春の本格稼働に向け、北海道泊原発3号機のプルサーマル計画が着実に進んでいる。待った!の声を強めなければと思う。私たちの運動の『常識』の方が、誰の目にも正しかったことが明らかになったのだから。